2014年05月31日 (土) | Edit |
2010年10月から月に1回リリースしている「家で飲んだ日本酒」シリーズ。

かなりの労力を使って書き上げているんですが、時間と手間を掛けた割には読みにくくて面白味に欠ける、と最近感じていました。

文体も普段の記事とは異なりますし、ちょっと無理をしてしまったかなと反省しております。



なので、今回から文体と内容を一新。

是非、皆様のご感想をお寄せいただければ幸いです。



さて、今月は7本をご紹介。

山口県のマイナーな蔵のお酒も開栓して飲み進めていますので、ちょっと本数が多くなりました。

今月開栓した中では、高砂の山廃と同期の桜純米原酒、蒼斗七星の特別純米がオススメ。

特に蒼斗七星は、ブレイクの予感が感じられます。





(評価は、なし~★★★★★まで。筆者の独断による評価のため、参考程度に留めて下さい。)





高砂 山廃純米吟醸あらばしり無濾過 ★★★
720ml 1,697円 
購入先:磯田酒店(山口県岩国市)



静岡県の日本酒は案外と出会う機会が多く、その筆頭は「開運」でしょうか。

この他にも、「初亀」・「杉錦」・「磯自慢」・「喜久酔」なども広島では見かける事があります。



今回購入した「高砂」という銘柄は、聞いた事はあったものの、飲んだ事のない銘柄。

蔵元である「富士高砂酒造」の公式サイトを見てみると、創業は1831年(天保2年)で、200年近い歴史があるんだそうです。

こちらのお酒は、富士山の伏流水を用いて口当たりの柔らかい甘めの酒を醸しているとの事。

今回は山廃を購入してみたんですが、果たしてどんな感じでしょうか。



開栓初日。

穏やかな旨辛さに続いて、まぁるいヨーグルト的な酸味が甘みを伴って、するっと喉を通り抜けます。

山廃特有のクセは少ない感じです。

余韻は柔らかく、これはまろやかな山廃で旨い酒ですねぇ。

しかし、杯を進めると少し飽きてきましたので、一旦は冷蔵保存へ。

芳醇な旨味がありますがもう少し切れも欲しい、と言うのが初日の感想です。



開栓2日目。

ドン!と旨味が舌に乗ってきて、柔らかい酸味がそれを流してくれます。

旨味は、顎関節の斜め下辺りにじゅんと来る程に芳醇。

口当たりは初日よりも良く、するすると飲めてしまう危険な旨さです。



菊姫のようなきつい山廃は苦手ですが、本酒のような穏やかな山廃は、とても好きです~。



このお酒は、余韻をつまみに飲めるタイプ。

もう少し安ければ言うことないのにと思っていましたが、酒米は兵庫県特A地区産の山田錦を使っているとの事。

う~ん、それなら仕方がないかも(苦笑)。



富士高砂酒造 
静岡県富士宮市宝町9-25
代表:山岸逸人氏 
杜氏:小野浩二氏(能登流)
公式サイトあり


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たかちよ 氷点貯蔵おりがらみ本生 ★★
720ml 1,512円 
購入先:磯田酒店@山口県岩国市



こちらは妻がジャケ買いしたお酒。

1868年(明治元年)創業の蔵で、一本〆という酒米(父:豊盃・母:五百万石。新潟県で開発。)を積極的に使っているんだそうです。

高千代酒造の銘柄には、漢字の「高千代」とひらがなの「たかちよ」があり、本酒はひらがなの方。

ラベルの色が赤・青・黒・緑と何種類かある中で、青いラベルがピンと来たみたいです。



ひらがなの「たかちよ」は青ラベルを含めて7種類のラインナップがありますが、原則としてスペックは非公開。

2種類だけ純米大吟醸と名乗り、残り5つは「純米」等の記載はありません。

あえて特定名称酒を名乗らない戦略なんでしょうが、某酒販店のサイトによると「酒米:一本〆の純米規格」とありました。

個人的には、スペック(データ)は記事にまとめる際に使うだけですので、あってもなくても構いません。





さて、開栓してみると、瓶口から漂うのは生っぽいフレッシュな香り。瓶の底には、白いおりが少しだけ沈んでいます。

まずは上澄みだけ飲んでみると、微炭酸が舌先にチリチリと感じ、コクのある甘さと仕舞いの苦味による切れが目立つ構成です。

この甘さは例えるなら「ラムネ」でしょうか。

瓶を上下ひっくり返して混ぜて飲んでみると、おりが絡むせいか、一層マイルドな味わいに感じられました。



口の中に留めて転がしてみると、甘酸っぱさが徐々に強くなります。

個人的にはこの位の酸があった方が飲みやすいかな。

ちょっと熱めの燗では、コクは最初だけで仕舞いの酸が強くなり、切れ味が増します。



ひらがなラベルのお酒は「脱・端麗辛口」を目指して造ったとの事で、「豊醇無盡(ほうじゅんむじん・尽きることない限りなく豊かな味わい)」という言葉でコンセプトを表しているそうです。

実際に飲んだ印象からもそれは感じることが出来ました。



本酒には少しくどいと感じるシーンがありましたので、僕の好みではありません。

しかし底力は感じますので、機会があれば別のスペックも飲んでみたいと思います。

高千代酒造
新潟県南魚沼市長崎328-1
代表:髙橋マサエ氏 
杜氏:阿部茂夫氏
公式サイトあり


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同期の櫻 純米原酒 ★★★★
720ml 1,575円 
購入先:蔵で直接



江田島市第一術科学校近くの江田島銘醸は、「同期の櫻」というお酒を醸しています。

海軍御用酒として初代:住岡八百蔵氏が興した蔵は、現在では4代目が蔵元杜氏として継いでいるそうです。



新酒が出ている時期に伺ったんですが、まだ出ておらず、購入したのは昨年醸したお酒。

期せずして1年の熟成物を購入することが出来たわけです。



開栓してみると、最初だけバニラビーンズのような香りがしますが、数分経つとあまり感じられなくなります。

飲んでみると、米由来のコクがグッと感じられ、しかし飲み口は軽く、仕舞いはとてもさらり。

口の中で転がすとしっかり目に酸が出てきて、これはなかなか面白いではありませんか。

燗にしてみると、米感が増幅するものの大きな変化とは言えませんでした。





この酒は派手さはありませんがきちんと旨い酒で、気付いたら1升瓶が空いていたというタイプでしょう。

僕自身も、旨い旨いと飲んでいたらあっと言う間に4合瓶が空になってしまいました。

これ、1升瓶で欲しいなぁ。

江田島銘醸
江田島市江田島町中央2-27-1
代表:住岡光男氏 
杜氏:住岡光男氏
生産量:不明
公式サイトあり


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銀嶺 純米吟醸 ★★
720ml 1,320円 
購入先:蔵で直接



銀嶺の蔵元:三浦酒造は、萩市の佐々並にある蔵です。

この辺りは、温泉津・津和野・豊町御手洗などと同じく重要伝統的建造物群保存地区(略して重伝建・じゅうでんけん)として国に選定されていて、街並みを残す義務が課せられているんだそうです。

端的に書くと「いくら古くなっても外観は変えるな」という事。

ここ佐々並はかつて宿場町として栄えたので、萩市が申請し文部科学大臣が認定したと聞きました。



1901年(明治34年)に三浦酒造の前身である土山酒場がこの地で創業。

1913年(大正2年)に酒造を三浦家が譲り受け、現在に至っています。

10年ほど前に杜氏が亡くなり酒造は行っていないとの事でしたが、萩の蔵に生産を委託しつつ看板を維持されているようです。



地域に残った唯一の酒蔵。

しかも平成元~15年の間に7回も全国新酒鑑評会で金賞を受賞された蔵です。

半世紀の休止期間を経て酒造を復活した大嶺酒造のようになれば、と願わずにはいられません。



さて買わせていただいたのは、純米吟醸です。

開栓してみると、瓶口からは米っぽい香りとアルコール感が漂っています。

実際に飲んでみると、旨辛さが前に出ていて、味わいとしての酸味も終始感じられます。

仕舞いにはアルコール感と甘さも。

酸味が味の切れに貢献していない分、くどい感じがするように思います。



少し置いて、開栓3日目。

仕舞いに苦味が加わった以外は初日と同じ印象。



もう少し置いてみて、開栓1週間後にはくどさがなくなり、開栓10日後にはまろやかさが出て来ました。

ようやく飲み頃が来たと言う印象です。



一般的には、開栓したら早めに飲まなくてはと思うんでしょうが、本酒のように10日くらい置いたほうが良いお酒もあるんです。

これが開栓前に分かれば、どれ程嬉しい事でしょうか(笑)。



三浦酒造
山口県萩市佐々並2607
代表:-  
杜氏:-
古い紹介ページあり


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龍の玉 純米 ★★
720ml 1,050円 
購入先:蔵で直接



松田酒造は周南市の奥座敷と呼ばれる米光にある蔵で、創業から100年を越える歴史を有しているそうです。

酒造を行っていたのは先代の頃までで、今は造りを委託して蔵を維持しているとの事。

2010年10月時点では従業員が8名いたとの情報もありましたので、色々あったのはつい最近の事なのかもしれません。



購入後、常温で保管していたのを開栓。

香りは穏やかで、たおやかな米の旨味と少しの酸が味の特徴です。

飲み口はきれいな部類だと思います。



冷蔵保存して開栓から1週間後には甘みも出てきました。

常温で飲むよりも、冷やして良いタイプかもしれません。



ふと気付いたんですが、この味って以前飲んだ中村酒場(周南市福川)の勢力(せいりき)に似ています。

造りは周南の蔵に任せていると言われていましたので、ひょっとしたら中村酒場が造っているんでしょうか。



松田酒造 
山口県周南市大字米光104
代表:松田淳氏 
杜氏:-
紹介ページあり(


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錦世界 純米 ★★★
720ml 価格失念 
購入先:蔵で直接



錦世界は、防府天満宮の西側、千日という町にある竹内酒造場のお酒。

創業は1909年(明治42年)。佐波川の伏流水と契約栽培米を用いてお酒を醸しているそうです。



こちらでは、「ほうふハイボールに使う酒」というお酒も造っています。公式サイトによると、“防府市の花木である「梅」、三田尻の「塩」、地元蔵元の「日本酒」、それらを一つにしたのがご当地カクテル「ほうふハイボール」”との事。

20を超える飲食店でも飲むことが出来るそうです。

残念ながら蔵元では購入できませんでしたので、次回以降、防府市内でゲットして来ようと思います。



さて、錦世界に話を移しましょう。



開栓直後は、ツンとするアルコールの匂いが感じられます。実際に飲んでみると、基本的には喉越しの良い辛口のお酒で、口の中がさっぱりする酸味も特徴でしょうか。

二杯目以降は口当たりが丸くなり酸が引っ込みましたが、味の構成は一杯目の印象と変わりません。



原料米の五百万石は、端麗なお酒を醸す際に使われるそうで、そう言われてみればこのお酒の特徴と合致しています。



まだ飲み干していませんので、開栓から日数が経つとどう変化するのか、楽しみながら飲んでみようと思います。



竹内酒造場
山口県防府市千日2-9-5
代表:竹内寛氏
杜氏:-


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蒼斗七星 特別純米65 ★★★
720ml 1,404円 
購入先:てらや@中区富士見町



青砥酒造は、1895年(明治28年)に島根県安来市に創業した、4代続く酒蔵です。

地元向けの「ほろ酔」という銘柄を醸す蔵でしたが、東京から戻ってきた次期蔵元がリリースした「蒼斗七星」が新たなラインナップに。

某酒販店のサイトで見かけて以来、飲んでみたいと思っていましたら、アグレッシブな仕入れを行う「てらや」に入荷したとの報が!



早速購入して、その日に開栓し、4合瓶を飲み干してしまいました(苦笑)。



香りはとても穏やか。

○○な香りとは表現できないほどにわずかな香りです。



口に含んだ瞬間は水のように清冽な印象を受けますが、ほんのりと甘く、ほんのりと辛く、ほんのりと苦い、優しい味わい。

舌で転がしてみると、酸が終始感じられ、辛さが強くなります。

柚子胡椒を使ったマグロのカルパッチョと合わせてみましたが、互いの辛さが相殺され、口の中には甘さが残ります。



飽きが来ない味わいですし、お酒自体柔らかいので、いくらでも飲めそう。

しかし上善如水のような超端麗ではなく、ほんのりと言えども、しっかりと味を備えています。



日本酒初心者にもおすすめできる1本。



元モデルという経歴のイケメンが醸す蒼斗七星。

ぜひお試し下さい。

※何だか通販サイトのような締め方ですね(苦笑)。



青砥酒造
島根県安来市広瀬町布部1164-4
代表:青砥幹彦氏
杜氏:青砥秀樹氏
公式サイトあり


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その他の日本酒に関する記事はこちらからご覧いただけます。








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